今更だけど秒速5センチメートル見た

ついカッとなって秒速5センチメートル見た。
先日、時をかける少女をHDDに撮りわすれてなんとなく悲しかったから。
(やってたってことすら後日知ったんだけど)

で、見た感想なんですが(以下ネタバレる可能性があるのでご注意)。


ぐえぇ


といったところでしょうかね。
桜とか初恋とか雪とか雲とか、映像的には卑怯すぎる作品。
これで普通に終われば「CG技術の見本市乙!」とか言いたくなるんですが、
3話目の展開で「実はこんな話です」ってのが浮かび上がってくる、と。

で、なんでぐえぇとなるかというと、もちろん最後の歌のあたりで、
演出と歌の暴力によってグサグサ胸を刺されまくるってのもあるんですが、
なんかこう、複雑な感情になっちまうからです。

それは要するに、自分を含めて、誰もが1話の男にも、女にもなってるって
現実があるからなんじゃないでしょうか。
僕だって、過去に大切にしてた相手だってすっかり忘れて、のんびりゲームをしていたりするし、
その相手だって、きっと僕のことを思い出すことも無いでしょう。
そんな繰り返しで日常が回っているわけで、
普段は「せつねぇ~」なんて思わないで暮らしているわけです。
しかし人間そんなもんな訳で、
グルグルと感情が回って、雑巾の水のように搾り出されるのが「ぐえぇ」な訳です。

ぐえぇと言いながらも、最後の主人公の晴れ晴れとした顔を見て救われた気分になるわけです。
(さらに、「このあと種子島に戻って、偶然再会し・・・」とか妄想すると、いい夢が見れます)


しかしこの主人公、初期の村上春樹作品を彷彿とさせませんか。
彼のアパートにいつ双子が転がり込んできてもおかしくない、そんな雰囲気ありますよね。